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櫻田さん、前回の復習、ちょっとしましょうか?


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(げっ!何その学校の講義みたいなの・・・)いいですよ!
どっからでも掛かってこ、いや、来てください・・・←自信がない


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皮膚の本来の役割は何ですか?


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ふっふーん「バリア」です。
ここら辺は毛穴ブログでやってるから、余裕です。


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そうですね3つのバリアで侵入者から身体を守るんですね。
ではその下にある免疫センサーはなんて言うんでしたっけ?


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ランゲルス細胞!


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惜しいっ!「ランゲルハンス細胞」が異物の侵入を見張っているんですね。


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ぎゃー間違えた(恥)
(実際原稿のやりとりで本当に間違えていた)


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では、スキンケアの本来の意義は?


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肌を清潔に保ち、バリア機能を守ること。


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そう、皮膚の洗浄はバリア機能を少なからず壊してしまうので、
バリアを修復するスキンケアが必要。
だから、スキンケアはバリアのある所まで届けば十分なんですね。


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え?じゃあ、やっぱり角質層まででいいってことですか?
ビタミンCとかコラーゲンとか、届けちゃダメってことですか。


今日はそこら辺の情報を整理してみましょう。

化粧品の浸透に関する厚生労働省の考え方

化粧品は角質層までしか浸透しない・させてはいけない

化粧品や医薬品を管轄する厚生労働省では、
化粧品は角質層までしか浸透しないと考えています。
むしろ角質層までしか浸透させてはいけないと考えている、
と言っても良いかもしれません。

化粧品の広告で「○○がお肌の奥まで浸透します」と書いてあったとしても、
必ず「※角質層まで」という但し書きが小さく書いてあるのを見かけると思います。
それは、「角質層まで」と書かなければ薬事法で違反になってしまうからです。
化粧品は角質層より奥深く浸透するとは言ってはいけないのです。

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※角質層まで

各化粧品メーカーは、角質層より奥深く化粧品や有効成分が浸透していく
イメージを植え付けておきながら、
小さく「浸透は角質層まで」と但し書きをしているのです。

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これだから化粧品メーカーの宣伝文句はイヤなんですよ・・・
消費者が勝手に「都合のよい勘違い」をイメージするようにさせる・・・
肌の奥まで、とか、微妙な表現しやがって!←勘違いする自分が悪い

でも、なんで角質層まではよくて、それより深く浸透してはダメなんですか?


なぜなら、化粧品を浸透させるのはリスクが高いから


角質層は皮膚の最外層に位置する厚さわずか0.01mm程度の細胞の層ですね。
それほど薄いバリアですが、皮膚の中で最も強固なバリアなのです。
ここを突破されて侵入されるということは、私たちの体にとって危険が大きいのです。

さきほど説明したように、皮膚の角質層より下側には
ランゲルハンス細胞という免疫センサーが張り巡らされています。
そこに物質が侵入してくることによって様々な免疫系が活性化され、
炎症やかゆみ、アレルギーなどの反応を起こしてしまうのです。

したがって、
「角質層より深く浸透してくる化粧品は炎症やアレルギーなどの皮膚トラブルや副作用を起こす可能性がある。だから化粧品は角質層までしか浸透させてはいけない。」
というのが厚生労働省(薬事法)の考え方だと思って良いのではないでしょうか。

私もこれは正しいと思います。

むやみに化粧品を皮膚の奥深くまで浸透させるのはリスキーです。
角質層で失われた必要な成分を角質層にお届けする。
スキンケア化粧品の役目はそういうことだと思うのです。

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なるほど。

でも、角質層より下に落ちちゃったメラニンとか、真皮層でコラーゲンが不足しているとか・・・
そいういうのをどうにかする成分を、角質層より下に浸透させた方がいいような気がするんですが。。
しつこいですがダメですか?



では、良い悪いは別として、可能かどうかを見て行きましょう。

そもそも化粧品は浸透するのか?

高機能化粧品も角質層までしか浸透しないの?

スキンケア化粧品の基本は、失われた角質層のバリア成分を補うことと言っても、
一般の消費者の方々は納得しないでしょう。
もっと美白やシワ、シミ、たるみ、ニキビ、老化などに対する
機能をもった化粧品を求めています。

そこで様々な機能性成分が開発され、化粧品メーカーは化粧品に配合しています。
しかし、例えば、コラーゲンの産生を促進する成分は、
コラーゲンを産生する線維芽細胞のいる真皮に届かなければ効果を発揮しません。

角質層までしか浸透しないのであれば、
化粧品に配合されているこれらの機能性成分は無意味なのでしょうか?

実際は浸透している

実際には、ほんのわずかですが、毛穴を通して皮膚の内部まで成分は届きます。
水溶性の成分は届きにくく、油溶性の成分は届きやすいなど、
成分によって届きやすさは違います。
また角質層のバリアが壊れている方も、バリアの隙間を通して成分が侵入していきます。

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医薬品の塗り薬や湿布薬は、やはりちゃんと効果が得られますよね。
ですから成分は浸透しているのです。
ドラッグデリバリーシステムと言って、成分を浸透させる様々な技術が開発されており、
リポソームや高浸透型の誘導体などが使用されています。

化粧品でもこういった技術は使用されています。
またイオン導入やエレクトロポレーションなどで、
成分をむりやり浸透させる方法もあります。

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えーーーーーーーっ!じゃあ、小さく「角質層まで」とか書きつつ、
実際は浸透している・・・なんかしっくり来ないなぁ。。



積極的に浸透させると何が起きるのか?


リスクリスクって、よく分からないし、そんな怖くないんですが


医薬品であれば短期間に使用しますし、副作用などリスクも承知の上だと思うのですが、
化粧品の場合は長期にわたって使用しますし、副作用などないと思って使用しますので、
私はちょっと怖いと思っています。

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何がどう怖いのでしょうか? なんか、櫻田は怖いと感じられないんですが。。
ランゲルス、いやランゲルハンス君が察知して炎症を起こす、ような感じですか?
それくらいだと「肌の奥まで届いて効く!」
みたいな魅力的なキャッチコピーの方に断然惹かれちゃいます・・・・
つまり、この記事より、浸透化粧水の方を信じたくなってしまうということで・・・
浸透すればするほどリスクは高まるって、具体的にどうヤバいんですか?


角質層より深く浸透したら何が起こるのか?


角質層より深く入った物質はランゲルハンス細胞を刺激して免疫系にスイッチが 入り、
炎症などの反応が引き起こされます。
また刺激されるのは免疫に関係のあるランゲルハンス細胞だけではなく、
表皮の 細胞は刺激を受けて様々なサイトカインという物質を放出します。

サイトカインの中にはかゆみや炎症を誘発するものもありますし、
神経線維を伸長させるものもあります。
通常は真皮までしか伸びていない神経線維は、伸長すると表皮の表層まで伸びてくるため、
神経が過敏になり、ピリピリやチクチクな どの刺激を感じやすくなります。

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#分かりにくくてすみません。

つまり敏感肌になってしまうわけです。

これは、浸透させると必ず起こるというわけではありませんが、その確率が高くなるということです。
ですから効果を求める場合は、そのリスクも高くなるという心構えが必要という ことになります。

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なるほど、高機能化粧品で敏感肌が出来上がってしまう、という、よくあるパターンですね。
これでは美しい肌が育たず本末転倒なばかりか、肌が傷んでしまう・・・


私どものところによくあるご相談で、色々と機能性のある成分の入った化粧品を使って
お肌が荒れてしまって、赤くなったり炎症を起こしてしまったり、痒みがでたり・・・
どうしたら良いでしょうかと泣きついてこられる方も多いんですよ。

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じゃあ、角質層まででいい、っていうより、
角質層より下には届けない方が良いってことですね。


なんだか混乱してしまいますよね。
次回は消費者を惑わす広告のウソホントにも触れながら、核心に迫りたいと思います。



今日の講義まとめ


【厚生労働省(薬事法)の考え方】

角質層までしか浸透させてはいけない

【化粧はバリアより下まで浸透できるのか?】

→YES
・バリアが壊れている場合
・毛穴を通して皮膚の内部へ(微量)
・ドラッグデリバリーシステム,イオン導入等の技術


【浸透させることのリスクは何か?】

かゆみや炎症が起きたり、敏感肌を作ってしまう可能性がある。



#イラスト:櫻田こずえ

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